今回は話題のAIお絵描きサービスを比較してmidjourneyが良かったお話を。「AIにお題を指示すると短時間でイラストを描いてくれるサービス」で賑わっている2022年、私個人も興味を持って3つのAI描画ツールを試してみました。結果的に、無料・有料やサービスの制限などに違いはあるなかで気に入ったのは断然midjourney(ミッドジャーニー)。
使い方を一度おさえてしまえば、イラストが描けない方でも簡単に独創的なイラスト生成が楽しめるのでまだmidjourneyをさわっていない方、AIお絵かきの使い方が分からない方に参考になれば幸いです。
比較したAIお絵かきツール3種(4種)
midojourneyのほかに試したAIお絵描きは、DALLE miniを使用したcraiyon、StableDiffusionを使用したDreamStudioとお絵描きばりぐっどくんです。AIとしては3種、ツールとしては4種使用してみました。ひとくちにお絵描きAIと言っても、使い勝手も生成されるイラストの質や世界観・傾向もだいぶ異なるので面白いです。
AIお絵かき(使用AI) | 料金 | 概要 |
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midjourney (midjouney) | 無料お試しあり 有料版 $10~ | Discordで動くお絵描きAI 4枚ずつのラフから高画質版の生成が可能 |
craiyon (DALL・E mini) | 無料 | ブラウザで動くお絵描きAI 会員登録不要・ログイン不要だが時間と精度はNG |
DreamStudio (StableDiffusion) | 無料お試しあり 有料版 £10~ | ブラウザで動くお絵描きAI 1度に生成する画像の枚数やサイズ・精度が調整しやすい |
お絵描きばりぐっどくん (StableDiffusion) | 無料 | LINEで動くお絵描きAI 日本語で利用可能 |
StableDiffusionやDALLE miniと比較すると、midjouneyはミッドジャーニー節というか独自の作風があってお題からは想像できないような作品が出来上がるところが気に入っています。同じお題(プロンプト)でも、StableDiffusionとDALLE miniはあまり面白みがない(AIが描いた感がない、ふつうに写真っぽい)仕上がりになることが個人的には多かったので好みが分かれる・学習でカスタマイズが楽しめるところかもしれません。
※StableDiffusion自体はオープンソースの技術なので開発能力があれば無料で使えるのですが、私個人は技術がないほうなのでGoogle Colabで動かそうとしたところエラーが出てしまいうまく使えませんでした。。
有料でも価値あり!midjourneyの簡単な使い方
8月頭からmidjouneyの無料版を試して、手軽さ&面白さ&イラストの独創性と質の高さにすっかりはまってしまい、有料版$10を課金したあと高速モードのまま使い続けてあっという間に追加$30を課金しています。Discordのアカウントさえあれば簡単に使えるので、普段Discordを使わない方も試してみる価値は大いにあります。
もとからDiscordのアカウントがあれば新規登録不要
「/imagine」を入力後、prompt: に続いて描いてほしい内容(呪文)を記入するだけ!
midjourneyでもDreamStudioでも、お絵描きAIはAIが働くタスク度に応じてクレジットが減っていきます。midjouneyの場合、高速モードのfastを使っていると生成時間が短い分あっという間に残数が消化してしまうので低速モードのrelaxがおすすめです。
お絵描きAIのプロンプトって何を書けばいいの?
呪文のレベルアップ方法
いざ環境を整えると、どうAIに指示したらいいのか(どんなプロンプトでお題を投げたらいいのか)で悩むかと思います。いわゆる呪文と呼ばれるpromptです。
最初は自分でなんとなく英単語を指示してみても、SNSでバズっているようなクオリティにはならなかったりします。また、サイズ指定がないとデフォルトが正方形になります。
midjourneyの場合、Community Feedで人気の作品をチェックしてそのpromptを勉強するのが効果的です。無料お試しのルームでは同じタイミングで無料版を始めた人たちがリアルタイムに色々な絵を生成しているのがわかるので、試したいpromptもその場で確認できます。promptをまとめたnoteやブログもおすすめです。
- midjourneyで人気の作品のpromptを参照する
- 同じROOMでmidjourneyを使用している人のpromptを参照する
- 描いてほしい単語をGoogle翻訳する
- うまくいったpromptを組み合わせる
- 画風、テイスト、背景、色のトーンを指定する
- サイズを指定する
midjourneyで使うと良い感じにAIお絵描きが楽しめる呪文(prompt)
midjourneyで、絵のテイストや画質を指定するのにおすすめのプロンプトはざっくり以下の通りです。
// 画質、精度
16k,8k,high detail,intricate details,extremely detailed,unreal engine,octane rendering,ultra detailed
// 画風
photorealistic,studio photography,cinematic,realistic,dramatic
// 作風
painted by 人物名,人物名,
// 照明、ライティング
cinematic lighting,dramatic lighting
// テイスト
character design,poster style,tarot card,concept art,animation,illustration
// 世界観
cyberpunk,gothic,dark,horror,fantasy,atmosphere zen,romanticism,psychedelic,mystic,baroque style
// 構図
symmetric design,full body
// サイズ
--hd, --ar 1:2,--ar 2:1
サンプルにする画像をURLで指定することもできますが、少ないプロンプトでイメージに近い作品が出来上がるとそれはそれでなかなか達成感があります。
パルプンテ的に何が出来るかわからないところと、他のAIお絵描きツールと違って描いている途中の様子も見えるのがmidjounneyの面白いところです。
※病気に関するものや公序良俗に反するものなど、サービス側で禁止されている単語もあるので利用時にはよく確認してみてください。
趣味でも楽しい!AIお絵描きの活用方法
商用利用可能なサービスを前提として、AIお絵描きの活用方法には色々なものがあるかと思います。例えば自分のイラストの背景やラフに使う、オリジナルグッズを作る、素材サイトの代わりに画像を生成する、イラストレーターや3Dモデル(VRM)発注時のサンプルにする等々。
個人的には、あまりに雰囲気のある高品質イラストがたくさん生成できてしまうのでフォトブックとアパレルを作って自分用に置いておこうと思います。約1分で出来上がるスピーディーさと面白さでどんどん生成してしまうので、あっという間にカメラロールがmidjourneyの作品でいっぱいになったためです。印刷して手元に置きたい!じっくり眺めたい!と感じているので、糸綴じのフォトブックかカード印刷に挑戦するのもいいなと思っています。
ひとまず、フォトブックはまだ完成していないので生成したイラストをスライドショーにして遊んでいます。ごく抽象的な指示でも雰囲気のあるイラストが生まれるので、仕事中のイライラや感情をプロンプトにするのも意外と楽しいです。すきま時間にテレワークのストレス発散にも役立っています。
AIお絵描きが苦手なジャンルもある
AIお絵描きツールは高速&柔軟ですが、実際に使ってみると得意不得意というか、苦手な表現があることもわかります。midjourneyの場合、得意なジャンルは非現実的な雰囲気があるアートっぽい作品。特にややダーク系の風景やクリーチャーデザインなどにはかなり強い印象です。また、素材の組み合わせにも強く「宝石でできた花」「果物でできたジュエリー」「風船でできたドレス」のように異素材のミックスも得意です(意図しないときに要素がミックスされてしまうこともありますがそれも味です)。
しかし、人体・特に手の指はかなりあやしくなることがあります。通常のイラストなら手の表現こそ気合が入るというか、おざなりにならないポイントなので「なんだかかっこいい作品なのに手が人体として怪しい…??」と思ったらAIイラストかもしれません。
建物やガラス瓶、キッチンのインテリアなどの写実的な要素でも「ぱっと見いい感じだけど何か破綻してる」仕上がりになることがあり、AIなのにこれは苦手なのかよという表現が意外とあります。とはいえ、他のAIのパターンを違うAIに学習させて進化しているケースもあるので今後のアップデートで苦手分野が克服されたお絵描きAIがどんどん出てくるかもしれません。
midjourneyを使ってみると、PinterestやTwitterで他の人の作品を見てもイラストがmidjourneyっぽいかどうかが何となくわかる(ミッドジャーニー節がわかる)ようになりますが、2022年8月時点での話なので今後さらに進化していくと判別しにくくなる可能性もあります。文字通り、無限の可能性があって面白いです。
3分あれば使えるお絵描きAI!食わず嫌いよりまずは遊んでみては
お絵描きAIはさわってみるとみないとでは全く印象が違います。VR以上に体験の有無で印象が変わるところなので、食わず嫌いせずに興味がある方なら一度遊んでみると楽しめるかと思います。
AI3種を試してみて、私自身はmidjourneyを今後も有料課金(サブスクリプションで商用利用可能)するつもりですがどんなものか試してみたい!という方はLINEでStableDiffusionが使えるお絵描きばりぐっどくんやブラウザで無料のCraiyonから試してみてもいいと思います。
正直、お絵描きばりぐっどくんやCraiyonで1~2回試したお絵描きAIとmidjourneyの仕上がりがかなり差があるのでmidjourneyのトライアルを強く薦めたいところですが、手軽に体験するならこのどちらかがおすすめです。